興信所でおこなわれる「素行調査」とは? 詳しい調査方法をご紹介!

興信所に依頼できる調査の中でも、多くの人が利用しているのが「素行調査」です。素行とは普段の行いのことを指し、素行調査とはその呼び名の通りターゲットの普段の行動について調査することをいいます。
素行調査が必要とされるのは一体どのような場合なのでしょうか?
この記事では興信所の素行調査とはどのようなものなのか、その詳しい内容や依頼される理由について詳しくお話ししていきます。

素行調査とはどのようなもの?

素行調査とは、特定の人物の日常的な行動や生活状況を、専門の調査機関である興信所に依頼して詳細に把握する調査手法です。この調査の主な目的は、対象者の人物像や性格、行動パターン、人間関係などを客観的に把握し、その人物がどのような人物であるのかを多角的に理解することにあります。興信所の調査員は、尾行や張り込みといった専門的な調査手法を用いて、対象者の行動を詳細に観察し、記録します。例えば、対象者がどのような場所に立ち寄るのか、誰と会っているのか、どのような行動をとっているのかといった情報を収集します。これらの情報は、企業の人事担当者や個人の依頼者にとって、重要な判断材料となります。素行調査の結果は、採用選考、人事異動、取引先の選定、結婚相手の判断など、様々な場面で活用されます。

興信所による調査というと、一般的には浮気調査をイメージする方が多いかもしれません。確かに、浮気調査は素行調査の一つの典型的な例であり、配偶者の浮気や不貞行為の証拠を掴むために行われるものです。しかし、素行調査の用途は浮気調査に限らず、多岐にわたります。例えば、企業においては、社員の不正行為の有無を調査したり、役員の行動を監視したりする目的で素行調査が実施されることがあります。また、取引先との契約を検討する際に、取引先の信用度を調査するために素行調査が活用されることもあります。個人においては、縁談や婚約を前に、相手の素性や人間性を確認するために素行調査を依頼するケースもあります。このように、素行調査は、企業から個人まで、幅広いニーズに対応できる汎用性の高い調査手法と言えます。素行調査を通じて得られた情報は、企業や個人の意思決定をサポートし、リスクを回避するために重要な役割を果たします。また、素行調査は、事実を客観的に把握することで、誤った判断や偏見を防ぎ、より正確で公正な判断を下すために役立つと言えるでしょう。

素行調査が必要となるケースとは

興信所へ素行調査を依頼する方の目的はさまざまです。ここでは、どのような場合に素行調査が行われるのか、よくある調査の例を見ていきましょう。

1. 会社の社員の調査

企業において、社長や役員、上司といった経営層が社員の行動を調査する必要に迫られるケースは少なくありません。特に、取引先や出張先など、日常的に目の届かない場所で業務を行う社員については、その行動を把握し、問題がないかを確認することが、企業の健全な運営において非常に重要となります。例えば、外回りの営業担当者が、本当に営業活動を行っているのか、業務時間中にサボタージュをしていないか、といった行動を把握する必要があります。また、競合他社との癒着がないか、不審な人物と接触していないかといった、会社の機密情報や信用に関わる問題についても、注意深く監視する必要があります。これらの調査は、企業の内部だけで行うには限界があるため、興信所のような専門機関に依頼し、客観的な視点から調査を行うことが有効です。素行調査では、対象者の行動パターンや交友関係、業務遂行状況などを詳細に確認することができ、企業はこれらの情報を基に、適切な対応を検討することができます。

また、職場で横領や服務違反といった問題が発生した場合、素行調査が問題解決の糸口となることもあります。これらの問題は、放置すれば企業の信用を大きく損ねるだけでなく、訴訟問題に発展するなど、大きなトラブルに繋がる可能性があります。しかし、社内調査だけでは、証拠を掴むのが難しく、問題解決に時間がかかることがあります。興信所に素行調査を依頼すれば、専門的な調査技術を用いて、対象者の不正行為や服務違反の証拠を掴むことができます。また、興信所は、対象者に気づかれることなく、慎重に調査を進めるため、証拠隠滅のリスクを最小限に抑えることができます。さらに、調査結果をまとめた報告書は、客観的な証拠として、訴訟や懲戒処分などの場面で有効に活用することができます。このように、素行調査は、企業の内部で解決が難しい問題を、外部の専門機関の力を借りて、スムーズに解決するための有効な手段と言えます。表沙汰になったときに大きなトラブルに発展する可能性のある問題でも、素行調査をうまく活用することで、適切かつ迅速に処理し、企業の損失を最小限に抑えることができます。

2. 会社の採用予定者の調査

企業が採用活動を行う上で、採用予定者の人物像を詳細に把握することは、非常に重要な課題となっています。企業は、自社の理念や文化に合致し、能力を発揮できる人材を求めていますが、採用選考の段階だけで、その人物の本質を見抜くことは容易ではありません。万が一、採用後に問題行動を起こすような人材を採用してしまった場合、企業は大きな損失を被る可能性があります。例えば、業務遂行能力が不足している場合、企業の生産性が低下するだけでなく、他の社員の負担を増やすことにもつながります。また、協調性や倫理観に欠ける人物の場合、職場の雰囲気を悪化させ、ハラスメント問題や情報漏洩といったトラブルを引き起こす可能性もあります。そのため、企業は採用選考において、応募者のスキルや経験だけでなく、人物像や性格、過去の行動などを総合的に判断する必要があります。

そこで、採用予定者の人物像を把握する手段として有効なのが、興信所による調査です。興信所は、専門的な調査技術と豊富な経験に基づき、採用予定者の身元調査、経歴調査、素行調査などを行います。身元調査では、応募者の氏名、年齢、住所、家族構成などが正確であるかを確認します。経歴調査では、応募者が提出した学歴や職歴が事実に基づいているかを確認し、経歴詐称がないかをチェックします。素行調査では、応募者の普段の行動や人間関係、過去のトラブルや不審な行動、反社会的な活動などについて調査します。これらの情報を事前に把握しておくことで、企業は採用リスクを最小限に抑え、安心して職場に迎え入れることができます。採用活動において、応募者のスキルや経験だけでなく、人物像を把握することは、長期的な視点で見たときに、企業の発展に大きく貢献すると言えるでしょう。採用前に、応募者の人物像を把握しておくことで、企業は安心して人材を採用することができ、採用後のトラブルを未然に防ぐことができます。

3. 取引先に関する調査

企業にとって、取引先との良好な関係は、事業活動を円滑に進める上で不可欠です。しかし、取引先の選定を誤ると、企業は大きなリスクを背負うことになります。特に、取引先が社会的な信用を欠くような問題を抱えている場合、その影響は自社にも及ぶ可能性があります。例えば、取引先が反社会的な勢力と関係を持っている場合、企業は風評被害を受け、社会的な信頼を失う可能性があります。また、取引先が違法行為を行っていた場合、企業は連帯責任を問われ、法的な責任を負う可能性も否定できません。さらに、取引先が経営破綻した場合、企業は債権回収が困難になるだけでなく、サプライチェーンが中断し、事業活動に大きな支障をきたす可能性があります。このように、取引先の選定を誤ると、企業は経済的な損失だけでなく、社会的な信用も失い、事業継続が困難になるリスクを抱えることになります。

そのため、多くの企業は、取引先との関係を構築する前に、取引先の信用度や経営状況、反社会的な背景の有無などを慎重に調査しています。特に、取引先が反社会的な勢力と関係を持っていないかどうかの確認は、企業にとって重要なリスク管理の一つとなっています。取引先が反社会的な勢力と関係を持っている場合、企業は不当な要求を受けたり、資金提供を強要されたりする可能性があります。また、取引先の違法行為や不正行為が発覚した場合、企業は社会的な非難を浴びるだけでなく、取引先との契約を解除せざるを得なくなることもあります。このようなリスクを回避するためには、取引先の調査を徹底的に行うことが不可欠です。取引先の調査を通じて、リスクを事前に把握し、問題のある取引先との関係を避けることで、企業は安心して事業活動を続けることができるでしょう。また、取引先の信頼性を確認することは、企業の社会的責任を果たす上でも重要な役割を担います。

4. 婚約者や縁談相手の調査

人生における大きな転換期の一つである結婚は、将来の生活を左右する重要な決断です。そのため、結婚相手を選ぶ際には、慎重に相手を見極めることが非常に重要となります。しかし、恋愛感情だけでは、相手の本質を見抜くことは難しい場合があります。特に、結婚後に相手の隠された問題が発覚すると、結婚生活が破綻したり、離婚に至るケースも少なくありません。例えば、結婚後に相手が多額の借金を抱えていたり、過去に犯罪歴があったり、不倫を繰り返していたりする事実が発覚した場合、結婚生活はたちまち危機に陥る可能性があります。また、相手の家族関係や交友関係に問題がある場合も、結婚生活に大きな影響を与えることがあります。このようなリスクを回避するために、結婚を検討する段階で、相手の素性や人間性を十分に理解しておくことが大切です。

そこで、結婚前に相手のことをより詳しく知る手段として、興信所による素行調査が活用されることがあります。素行調査では、相手の家族構成や交友関係、異性関係、過去の経歴、生活習慣など、多岐にわたる情報を収集することができます。これにより、相手がどのような人物であるかを客観的に把握することが可能になります。例えば、相手の家族に隠された問題がないか、過去に異性関係でトラブルを起こしていないか、ギャンブルや浪費癖がないか、反社会的な勢力との関わりがないか、などを調査することができます。また、相手の勤務先や収入状況、財産状況なども調査することで、経済的な不安を解消することもできます。これらの情報を事前に把握しておくことで、結婚後の生活に関する不安を解消し、安心して結婚に踏み切ることができます。結婚は、人生を共に歩むパートナーを選ぶという、非常に重要な決断です。相手のことをよく知った上で結婚を決めることで、より幸せな結婚生活を送ることができるでしょう。

5. 配偶者の浮気や不貞の調査

夫または妻の浮気や不貞に関する調査も素行調査のひとつです。配偶者がどこに立ち寄り誰と会っているのかを調べてもらい、証拠固めをしておけば離婚の際に有利になります。
配偶者に出張や友人との外出、残業などと言って不在にする日が増えたという場合や、心当たりのないホテルのレシートが見つかったなどの場合は、一度興信所へ素行調査を依頼されるのがおすすめです。配偶者の行動パターンをチェックすることで、不貞が暴かれる場合があります。

6. 子どもに関する調査

塾通いの子どもや離れて暮らす子どもが非行に走っていないかを調べる素行調査もあります。また、ベビーシッターや介護人が虐待をしていないか、家事代行が不穏な行動を取っていないかなどを知りたいときにも素行調査を役立てることが可能です。

7. その他、さまざまなパターンの素行調査がある

多くの興信所では、イレギュラーな依頼もある程度受けつけています。たとえば自分の親や親族が疑わしい行動をしているという案件が興信所に依頼されるケースは意外と多いものです。
ほかに債務者の調査、保険金などの不正受給の可能性がある人への調査、ストーカーの調査など、興信所にはさまざまな依頼が持ち込まれます。

素行調査の具体的な方法とは?

素行調査は多くの場合、尾行や張り込みなどの実地調査によって行われます。興信所はターゲットが出入りする場所を追尾し車などを使って張り込み、密会や不正行動などが判明した場合には写真や動画を撮影して証拠を残します。
もちろん、張り込んだ結果ターゲットに不正がなく品行方正に過ごしていたというケースもあるものです。こういった場合には本当に不正がないかを十分に調査をしたあとで、依頼者に「問題なし」という報告をします。
素行調査は簡単なものであれば数時間程度で済ませられます。大掛かりな調査であれば、必要に応じて数日間から数週間といったスパンで素行調査を依頼するとよいでしょう。

素行調査を活用するメリットとは?

興信所に素行調査を依頼することで、依頼者は客観的な証拠を得ることができます。従業員の不正や採用予定者の反社会的行動、配偶者の浮気などの証拠があれば、問題がスムーズに解決しやすくなるのです。
疑わしい相手について、個人でその素行を調べるのは難しいものです。興信所には調査に関するプロが多数在籍しており、証拠を集めるための機材も揃っています。その道のプロに任せれば、確実な証拠を得て優位に立ちながら問題を解決することができます。

素行調査とは、ターゲットが普段どのような生活や行動をしているかをプロの調査員にチェックしてもらうことをいいます。企業の従業員や婚約・縁談の相手、配偶者をはじめとした身内など、素行調査ではさまざまな相手の素行を調べることが可能です。
不審な行動が気になる場合や素行に問題がないか調べたい場合には、ぜひ興信所に相談してみましょう。