振り込め詐欺や結婚詐欺、フィッシング詐欺など、詐欺被害は私たちの日常の中にありふれています。詐欺の被害に遭ってしまっても、どこに相談をすればいいのか、どのように動けばいいのかがわからないと泣き寝入りをしてしまう人も少なくありません。
そこで今回は、詐欺被害に遭ってしまったときの対処法や相談先、そして詐欺犯人の住所特定の方法についてご紹介していきます。
詐欺被害について
詐欺というと、年配を狙ったオレオレ詐欺を思い浮かべる方が多いかもしれません。それゆえに「詐欺被害は自分とは関係ない」と考えている方は少なくないでしょう。
しかし、20~60代の男女1,000人を対象におこなわれたとある調査によると、詐欺被害に遭ったことがあると回答したのは190人にも及び、約5人に1人が詐欺被害に遭っていることがわかりました。さらに、その190人の割合をみると、20~40代の若年層が多いことも明らかになったのです。
このことから分かる通り、詐欺被害は誰もに襲いかかってくる可能性があります。近年の詐欺はとても種類が増えており、現代の変化に合わせて詐欺も進化してきているのです。
たとえば最近では、会社員や主婦が気軽に副業をおこなう時代になりました。これにあわせて増えてきているのが、副業・情報商材詐欺です。「副業をはじめるためには〇〇万円が必要」「家にいるだけで100万円を稼ぐ方法」などの広告で消費者を騙し、お金を奪い取るという詐欺です。このほか、ワンクリック詐欺や名義貸し詐欺、オークション・フリマサイト詐欺など、インターネット時代に合わせた詐欺被害がとても増えています。このようなネット関連の詐欺はお年寄り世代よりも若年層が被害に遭いやすいのです。
また最近では、インターネットを通じて男女が出会うことも珍しくなくなりました。出会い系サイトをはじめマッチングアプリのサービスなども普及し、不特定多数の異性と簡単に出会うことができます。このような時代の流れを利用して増えてきているのが、出会い系・結婚詐欺です。一昔前の結婚詐欺といえば、女性の結婚詐欺師が男性を騙し、お金を騙し取るという事件が多かったのに対し、最近では男性の結婚詐欺師が女性を騙すというケースが増えてきています。現金を要求する、クレジットカードを騙し取るなど、あらゆる手口を使って結婚希望者を騙す人が増えているのです。
詐欺被害の相談先とは?
警察
詐欺被害に遭ってしまった際にはすみやかに警察に相談をしましょう。警察の捜査で犯人が見つかり逮捕に至れば、起訴され裁判にかけることができます。有罪判決が出れば、懲役刑などの罰を受けさせることができます。
しかし、詐欺でお金を騙し取られている場合、刑事事件で解決されてもお金が返ってくるわけではありません。被害金額を取り戻すためには民事訴訟を起こし、犯人に損害賠償請求をおこなう必要があります。基本的に警察は民事不介入であるため、騙し取られたお金を取り戻すためには別の専門家への相談が必要になります。
ただし、これは警察が詐欺の捜査を積極的に取り扱ってくれた場合のケースです。事件性や緊急性が低いと判断されると、捜査が後回しになったり短期間で終わらせられてしまったりする可能性もあります。詐欺犯を見つけ出すためには別の機関にも同時に相談をするのがおすすめです。
弁護士
詐欺被害に遭い、騙し取られたお金を取り戻すためには弁護士への相談も必要になります。犯人の居場所が分かっているという場合は、被害者に代わって弁護士が被害額返還の交渉をしてくれます。民事訴訟をする際にもすべて弁護士が動いてくれるため、安心して任すことができるでしょう。
ただし、犯人の居場所がわからないという場合は要注意です。交渉するには相手に直接コンタクトを取る必要があり、損害賠償請求の書類や内容証明郵便を送付する必要もあります。つまり、犯人の居場所がわからなければ被害額返還の手続きができないのです。弁護士が犯人の居場所を捜査したり突き止めたりしてくれるわけではないので、まずは犯人の潜伏先の住所特定が必要になります。
興信所
詐欺被害に遭ってしまった際、興信所に相談をするという方法もあります。たとえば警察に相談をしても、「刑事事件ではなく民事事件と判断されてしまった」「詐欺被害が軽度なので取り合ってくれない」「詐欺被害から時間が経っているため取り合ってくれない」などの場合もあります。このようなときは警察とは別の専門家に相談をして犯人の居場所を特定しなければなりません。
このときに頼れるのが、人探しや尾行、張り込み調査などを得意とする興信所です。興信所を利用して詐欺被害の証拠や犯人の居場所がわかれば、改めて警察が動いてくれるという可能性も高まります。興信所のプロの調査を利用して、犯人逮捕や被害額返還を狙いましょう。
興信所では詐欺犯人の住所特定ができる?
すべての詐欺被害の犯人の住所特定が可能というわけではありませんが、詐欺の内容や期間などによっては興信所の調査で犯人の住所特定をすることが可能です。先述もしていますが、犯人の居場所を特定させることで、弁護士に作成してもらった内容証明郵便や損害賠償請求の書類を送付することができるようになります。犯人の居場所に直接出向き、話し合いをするということも可能です。
興信所の調査では、詐欺被害の状況や犯人から聞いていた名前、職場、住所、電話番号、メールアドレスなどから住所特定をおこなっていきます。事前の情報が多ければ多いほど調査がスムーズに進み、結果も得られやすいですので、手掛かりになりうるものはなるべく多く用意していただくことをおすすめします。
詐欺被害の調査でできるだけ用意しておいたほうが良いものは以下の通りです。
・詐欺犯人との出会いの経緯(インターネットやマッチングアプリ、知人の紹介など)
・金銭の受け渡しがあったことがわかるもの(振込明細やネットバンキングの履歴、メール、借用書、金銭の授受を行った日付や場所、時刻などのメモ)
・詐欺犯人の特定につながるもの(氏名、生年月日、体型、写真、メールアドレス、電話番号、住所、車両番号、口座番号など)
上記に上げたものは一例ですが、事前情報が多ければ多いほど調査が有利です。興信所に調査依頼をする際には、犯人とのつながりがあるものすべてを持参するのがおすすめです。
もちろん、犯人が口にしていた氏名や年齢、住所などはすべてでたらめである可能性もあります。それでも何かしらのヒントになることもあるので、興信所の調査員に共有しましょう。
それらの情報をもとに、聞き込み調査や張り込み調査などを行い、犯人の住所特定をしていきます。調査にかかる期間や料金などはケースバイケースなので、事前に興信所に相談をしておくことが大切です。
「詐欺被害に遭い、警察に相談をしたものの相手にされなかった」
「恋人に金を持ち逃げされたけど、もしかしたら詐欺だったのかも……」
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