興信所には絶対にやってはいけないタブーが存在します。どのようなタブーか申し上げますと「依頼人に期待を持たせてはいけない」ということです。
何故?問題を抱え思い悩む人物のために業務を遂行する探偵が「依頼人に期待を持つな」と考えるのか理由を申し上げますと、「依頼人が精神的に弱った状況」で過度の期待をもたせては危険と判断しているからなのです。
精神的に追い込まれたご依頼者やご相談者は本当に多く存在します。表面上は笑顔を見せていても、わずかな希望を託して探偵の調査を利用する人物は多くいらっしゃることは世間的には浸透していない事実と言えます。
例えば「世界中で一番愛している人物に裏切られているかもしれない」と考え、探偵に最後の望みを託して勇気を出して愛する人物の素行調査を相談する。
経験不足で未熟な探偵が相談相手ならば、探偵の口から「心配ありません。事実は一つとは限りませんから」等の軽率な発言にのって調査に着手してしまう。
結果としてご相談者は調査結果次第で大きな精神的ダメージを受ける覚悟が出来ていないまま「残酷な現実を調査報告」として受け止めなければならないのです。
このような危険なリスクは「プロの探偵には考えられない状況」と言えます。
探偵業を営むすべての人物が「相談者や依頼人に期待を持たせて調査委任契約を結ぶ」行為が危険な行為であると再確認できればと考えるのです。
興信所はボランティアでも正義の味方でもない存在
興信所を必要としている人物にも心にとどめておいていただきたい注意事項は存在します。
どのようなことが必項であるか胆摘にご説明しますと「探偵はボランティアでも正義の味方でもない」ということを理解した上で利用するべき存在と考えます。
思い込みとは怖いもので「フィクションの探偵」のような正義感溢れる弱者の味方が現実の探偵に存在していると思い込み「探偵に相談や問い合わせをする」人物が多数存在しているのです。
確かに形式上は弱者の味方の案件を手掛けることもありますが、本質は「報酬を得るために業務を実施する」ことが探偵業の本質と言えるのです。
このことから基本的に弱者の味方ばかりしませんし、正義の味方では無く「報酬のために業務」が最優先となるのです。
興信所業界に身を投じて20年以上になりますが「子供の依頼は受けたことがありません」のでフィクションの世界で展開される感動秘話なども全くありません。
それが現実です。
私が知る限り探偵に正義の味方が存在するならば、「依頼者の立場に近い感情で案件に着手する探偵」としか言えません。
報酬に関係なく心構えやテンションをキープして調査を遂行できる探偵は正義の味方と呼ばれるべき存在かもしれません。
そのような業務を日常的に実践している探偵が存在していれば「探偵は正義の味方」と言えるのかもしれませんね。
興信所にはどうすることもできない
恋愛の縺れから調査行為で相手のプライベートを調べ上げ「復讐の材料を得る」行為は現行の探偵業法に抵触すると考えられます。
調査結果の違法な使用目的が明らかなケースに該当し、事件に発展する可能性があると考えられる調査は「違法調査」と認識されているのです。
法律には触れないが恋愛でひどい仕打ちを受けた人物がこのような復讐を思いつきますが、探偵に相談する事案ではありません。
もし、どうしても相手に対し何か手段を講じてダメージを与えたいとお考えならば法律相談の案件と言えるでしょう。正当な主張のもとに「相手に対して請求できるすべての法的手段を講じる」ことが現実に可能で認められる復讐となるのです。